タッチケアでうつ脱!肌で感じる心地よさ

2018-11-17

こんにちは、「うつ脱!」主宰の森耕一です。
今回は、日本産業カウンセラー協会のシニア産業カウンセラー 茅根(ちのね)明弘 先生に寄稿していただいた記事を掲載します。

~~タッチケアでうつ脱!肌で感じる心地よさ~~

ゼロの距離:肌で感じる触れ合いが減っている

私たちは、近頃、タッチすること、つまり“触れる”ということが、めっきり少なくなりました。
もともと、私たち日本人には、欧米人と違ってハグや握手の習慣はありません。
しかし、皮膚感覚にはとても敏感で、それはお風呂が大好きな国民性に表れています。

そして、オノマトペ。
日本語には「つるつる」とか「ねばねば」、「すべすべ」など触覚に関する擬態語がとても充実しています。さらに、私たちは服の着心地、風合い(肌触り)をとても大切にしています。
私たち日本人の、繊細でやさしく、他人を気遣う性質は、こうした優れた皮膚感覚が作り出したものかもしれません。
スマホに溺れる
高度に発達した情報化社会の中で、私たちは、いつのまにか視覚と聴覚だけに頼った生活をしているのではないでしょうか。
目も耳も、それが機能するには、距離が必要です。
距離は、しばしば冷たさを生みます。

先日、元アイドルの女性が、酒気帯び運転で歩行者をはねた映像をニュースで見ました。彼らは幸い軽い怪我で済んだようですが、私がショッキングに感じたのは、周りにいた人々の無関心さです。
倒れ込んだ人々を尻目に、横断歩道の信号が変わると、そのまま歩いて行ってしまいました。
「大丈夫ですか」の一言すらあったかどうか、疑問です。

一方、東北震災などでは、被災者が暴動を起こすことなく、順番を守って救援物資を受け取る精神性は、世界中から賞賛されました。
私たち日本人は、そのように本来他人を思い遣ることができる民族なのですが、当たり前の生活の中でそうした心情が衰えているような気がします。

触れ合いとは、お互いの距離がゼロになること。
ゼロになってはじめて感じられるぬくもりが、忘れ去られている。
…そんな風に思えるのです。

秒速5センチメートル:心地よさを感じるタッチのスピード

英国の神経心理学者グレグ・エシックたちは、3種類の材質(メッシュ、綿、ベルベット)を機会に装着し、対象者の顔と前腕に3つの異なる速さ(1秒間に①50cm、②5cm、③0.5cm)で撫でたとき、どの程度「気持ちいい」と感じるかを評価してもらう実験を行いました。
その結果、2つのことが分かりました。

1つ目は、全体として顔と前腕を比べてみると、顔の方が気持ちよく感じることです。
2つ目は、最も気持ちよく感じる速度は、②でした。

そして、この速度で触れるときに最も反応するのが「C触覚線維」。
これが脳幹や扁桃体、自律神経、視床下部、自意識とも深く関わっている島皮質などの脳の部位を広範囲に刺激し、ホメオスタシス(体温や免疫力、血糖などすべてを一定の範囲に保つ機能)やアロスタシス(ストレスを受けたときに感じる体の変化を元に戻す機能)のバランスを整えます。
散る桜の花びら秒速5センチメートル。
何か、思い出しませんか?
そう、大ヒットアニメ『君の名は。』を手掛けた新海誠が、2007年に作ったアニメーション映画のタイトルです。

それは、桜の花びらが雪のように枝から離れて舞い散る速度だと言われていますが、そのようにやさしくおだやかな速度でタッチされるとき、私たちは心地よさを感じて癒されるのです。

ともにいること:悲しみや絶望を抱えた人たちと

背中をさするスウェーデンのクロンファー・ベリットらの研究では、最愛の人をガンで亡くした18人に協力してもらい、手や足のマッサージを週に1回、それを8週間続けたところ、ストレスが軽減し、生きるエネルギーが湧いてきたとほぼ全員が感じたそうです。
私たちは、あまりに深い悲しみや絶望に打ちひしがれると、それを人に語ることがとても難しくなります。
話せば辛い思い出がよみがえりますし、聴き手が成熟していないと苦しみを汲み取ってもらえず、かえって傷ついてしまいます。

そんなとき、言葉は要りません。
ただ、ゆっくりと体に触れらタッチされるだけで副交感神経が刺激され、深くリラックスできます。
周りの人々との結びつきを感じることができるので、自分一人で抱えていた苦悩がふっと軽くなるのです。理屈を言えば、自分をこの世に存在させている身体感覚が目覚めて現実感が戻り、離人症の症状が軽減される、そんな具合です。

ストレスが原因で身体や心の病気になってしまった患者さんにも効果があるということで、タッチケアを取り入れている病院も増えていますね。

私たちカウンセラーは、通常クライエントの身体に直接触ることはありません。
でも、その背中を大きくあたたかい羽でふわっと包み込むような関わり方をこころがけています。
「この星で、限りある時間の中で、今、ともに居てくれる」。
クライエントがそのような安堵を十分に感じられ、それを足掛かりに次の一歩を踏み出せるように、私たちはサポートするのです。

タッチケア:タッピングや肩もみの効能

最後に、2つのタッチケアをみなさんにご紹介します。

→ 1) タッピングタッチ

タッピングタッチは、20年近く前に臨床心理学者の中川一郎氏によって考案され、今では心理、教育、医療、介護など様々な分野で用いられています。
他にも被災地でのボランティア活動や、アフリカのウガンダで元少年兵の心のケア、軍隊のないコスタリカでは平和教育の一環としても利用されているそうです。
このように、日本発のケアメソッドが、海外にまで広がりを見せているには訳があります。
タッピングタッチ
まず、簡単であること。
指や手のひらで、相手の背中や肩、腕などに軽くトントンとタッチする(タッピングする)だけです。
器具を使わないので、いつでもどこでも始められます。左右交互に、ゆったりとしたリズムで10~15分くらい。

すると、実際に体があたたかくなってきます。サーモグラフィーによって体温の上昇がはっきりと確認できますし、血中のセロトニン(幸せホルモン)の値もバランスが整います。

一つひとつの“技”には、「ゾウの鼻」、「ネコの足踏み」、「コアラの木登り」など、とても可愛らしい名前がついていて、思わず微笑んでしまいます。

※タッピングタッチ協会(http://www.tappingtouch.org/)

→ 2) 肩もみカウンセリング

2018年10月某日、神奈川県神奈川区の区民まつりで、“肩もみカウンセリング”をしてきました。
一般社団法人産業カウンセラー協会神奈川支部の協賛を得て、私たち産業カウンセラーが肩もみをしながらヨモヤマ話を傾聴するという企画です。
お値段は、10分間500円。当日は残暑が厳しく汗だくでしたが、50名以上の方々が来られて大盛況でした。
肩を揉む
先ほど私は、「カウンセラーは、通常クライエントの身体に直接触ることはない」と書きましたが、今回のように賑やかな場所で、“肩もみ”という部分をあえて強調したタイトルですと、ずいぶん敷居も下がるようです。
もしこれが、カウンセリングだけだったら、祭りと言えどもお客さんはほとんど来なかったでしょう。

全く知らない、信頼関係も築けていない人に、自分の悩みなどをそう簡単に打ち明けられるものではありません。
ところが、そこにボディタッチが介在すると、人のあたたかさをつぶさに感じることで、すみやかに心もほぐれていくから不思議です。

尚、この企画は今のところ不定期開催で、場所も横浜周辺に限ります。

…そう遠くない未来、ロボットやアンドロイドが台頭し、現在ある仕事の大部分を担うだろうと予測されています。
しかし、私たちの手に宿っている癒しの力は、決して肩代わりできないでしょう。
今こそ、私たちは“類人猿”として、「グルーミング(毛づくろい)」の習慣を取り戻すことが必要かも知れません。

まとめ:タッチケアでうつ脱!肌で感じる心地よさ

1. 相手との距離をゼロにすること=タッチされることで感じる皮膚感覚の心地よさを忘れている。
2. <秒速5センチメートル>のタッチで感じる皮膚感覚で最大の精神的な効果が…
3. タッチされることで<ともにいること>の心理的安定が得られる。
4. 身近なタッチケアの方法として…..
→①タッピングタッチ:指や手のひらで、相手の背中や肩、腕などに軽くタッピングするだけで、大きな効果がある。
→②肩もみカウンセリング:昔ながらの肩もみをされながら、ボディタッチとカウンセリングの両方の心理的な効果が得られる。

~~ 文責:シニア産業カウンセラー:茅根 ~~

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