残業?休日出勤?長時間労働から自分を守ろう

2018-11-19

こんにちは、「うつ脱!」主宰の森耕一です。今回は、日本産業カウンセラー協会・会員の 中村澄江 先生に寄稿していただいた記事を掲載します。

~~残業?休日出勤?長時間労働から自分を守ろう~~


前回は、労働時間、休憩、休日について法律ではどのような決まりになっているかを確認しました。本日は第2回目です。

前回お話した通り、労働基準法上、会社は正しい手続さえとれば長時間の残業をさせても違反になりません。
そのため、人手不足も相まって長時間労働・過重労働が日常化しています。

仕事に急ぐ人たち特に、言われたことを忠実に守る人、まじめで責任感の強い人は、体調が優れなくても、どんなに仕事がきつくても最後までやり遂げようと限界を超えて頑張りがちです。
また、仕事ができると言われている人達にも仕事が集まりやすく、周りより多くの負担を強いられている場合が多く見受けられます。

中には仕事を調整したり残業や休日出勤を他の日の労働時間や出勤日に振り替えたりして、長時間労働を減らし、上手にストレスと付き合ったり、自らをコントロールできている人もいます。
しかし、長時間労働によりストレスが積み重なり、気づいた時には自分ではどうすることもできない状態に落ちいっている場合も少なくありません。

また、仕事に集中しているときや仕事にのめり込んでいるときは疲労を感じなくても、仕事をやり遂げた後に、それまで溜まったストレスや疲労から身体と心が崩れてしまうこともあります。

今回は、第2回目。残業や休日出勤による長時間労働が私たちに与えるリスクと、リスクへの対策を確認していきます。

長時間労働とは

「長時間労働」と言っても、いったいどれくらいの時間を指すのでしょうか。
実は、法律ではっきりと決まっているわけではありません。
そのため、様々な意見がありますが、月45時間(36協定の上限基準)を超え、長くなるほど徐々に健康障害のリスクが高まるとされています。

特に、以下のような働き方をしている方。

  • 月100時間を超える時間外労働をしている
  • 2~6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働をしている

どちらかに該当する場合は、脳・心臓疾患のリスクが高まると医学的に確認されています。

さらに、労災の請求や支給決定も時間外労働が「月80時間以上(1か月又は2~6ヶ月における1か月平均)」から一気に増加しています。
一般的には月80時間を超えた辺りから、長時間労働・過重労働と言われているようです。

そして、このような過重労働を長期間続ければ、身体的な面だけでなくメンタル面にも悪影響を与えることは間違いありません。

ここでは、具体的な相談例を挙げて長時間労働が心身に与える影響を見ていきましょう。

長時間労働のリスク:Tさんの例

介護施設の施設長をしていた男性Tさんの事例です。

Tさんは、約3年前、新規オープンする介護施設の介護ヘルパーとして求人に応募しました。
これまでの介護施設での経験を買われ、施設長として採用。
開業まもない施設を軌道に乗せるため、残業と休日出勤、部下の指導、利用者さんやご家族への対応、寝る間も惜しみ仕事に明け暮れていました。

Tさんの頑張りにより、経営は安定。身体は疲れていましたが、仕事にやりがいを感じ、毎日生き生きと取り組んでいました。

螺旋状の時間そんな姿勢を買われ、Tさんは規模の大きい施設の施設長に就任。
突然の異動に戸惑いましたが、期待に応えようと今まで以上に仕事に力を入れ、月100時間を超える残業が当たり前、徐々に疲れが抜けない日が増えていきました。

それでも、責任感から休むことなく仕事を続けているうちに、普段ならしないような細かいミスが増えていきました。

さらに、温和な性格のTさんでしたが、部下の些細な言動にイライラし、必要以上の叱責や暴言を吐くようになります。
残業や休日出勤で仕事の時間を増やせば増やすほど効率は低下、上司から注意を多々受けるようになり、施設の業績も低下してしまいます。

Tさんの身体には頭痛やめまいの症状が現れ、朝起きられない日が続きました。
食欲も低下し、体重は10kgも減少。とうとう出勤することができなくなり、相談に来られました。

Tさんは、真面目で一生懸命。仕事に対しても強い責任感を持たれている方でした。
また、自分が苦しい時も、会社の事、部下の事、利用者さんの事を優先してしまう優しい性格であったため、限界まで無理をしてしまったのでしょう。
すぐに医療機関への受診を勧め、Tさんは「うつ病」と診断されました。現在は、会社を休業し自宅療養中です。

Tさんの真面目な性格、突然の異動という環境の変化も多分に影響はしているでしょう。

しかし、今回のメンタル不調は、度重なる残業や休日出勤、長時間労働からくる睡眠不足、睡眠不足から引き起こされる集中力低下、集中力低下による些細なミスの連発、ミスをして生産性を上げられないことへの自責の念とつながる負の連鎖が大いに影響していると考えられます。

Tさんは限界に達するまで、病気の自覚はなく、立場的に誰にも相談できなかったということです。
今回は、Tさんの事例を挙げましたが、このような状況は誰にでも起こりうることだと思います。

では、私たちはこのような状況に陥らない為に、何ができるのでしょうか。

自分の身を守るための対策

(1)労働契約や会社のルールを確認

雇用契約書の定め、就業規則の定め、36協定の上限を確認し、自分がどれくらい残業できるのか、違法な残業を強いられていないか必ずチェックして下さい。
もし上限以上の残業を会社がさせていた場合は、労働基準法違反となります。

(2)有給休暇の取得日数の確認と請求

有給休暇は労働者に与えられた権利です。
「疲れたなぁ」と感じたら、思い切って休みを取ることも一つです。
もちろん、仕事が忙しくて休めないとか、人手が足りずに休めない、自分がいないと仕事が回らない等、取れない理由を挙げればきりがありませんが、無理をして働き続け体調を崩してしまっては、元も子もありません。

有給休暇は下記の2つの条件を満たした労働者に対して、最低限の日数を与えるように労働基準法第39条で定められています。

  • 条件1 採用日から数えて6か月間継続勤務していること
  • 条件2 全労働日の8割以上出勤していること

ちなみに、付与条件をクリアし有給休暇をもらえても、権利を使うか使わないかは労働者の自由です。
必ず、休みたい日よりも前に会社に請求するようにして下さい。
使用しないで2年が経過すると権利は消滅してしまうので注意が必要です。

※平成31年4月1日より、次のように法律が改正されます。

  • 会社は、10日以上の有給休暇が付与される全ての労働者に対して毎年5日、時季を指定して有給休暇を与えなければならない

(3)早めの相談と専門家への受診

夜中にPCに向かう度重なる残業や休日出勤で過重労働を強いられ続けると、働く意欲を低下させ、判断力を鈍らせます。
仕事に集中できない、良く眠れない、イライラする等、何か今までと違うと感じたら、まずは会社の上司に仕事の状況を話してください。
過重労働になっている現状と原因、そして残業や休日出勤を減らす対策を会社全体で考えていく必要があります。

同時に、メンタルヘルス部門等の相談部署があれば、自分の状況を必ず相談して下さい。
自分の問題だからとか、責任があるからとか、体調が優れないが大したことはないとか、真面目な方ほど1人で抱え込みがちです。

些細なことでもいいのです。話がまとまっていなくても構いません。
会社にそのような相談部門がなければ、ご家族や友人でも構いません。まずは誰かに話して下さい。何かしらの気づきがあるはずです。
職場環境改善され、気持ちが落ち着いてきたなら、また以前のように仕事に向き合うこともできます。

もし、度重なる残業や休日出勤といった長時間労働の問題外にも問題があり会社には相談できないのであれば、外部の相談機関を利用して下さい。
様々な機関で相談を行っています。

また、中々足を運びづらいとは思いますが、長期間体調不良が続く場合は医療機関への受診を考えて下さい。
病院への受診に抵抗があった方でも、「行って良かった」「診断を受けて安心した」「もっと早く相談すれば良かった」と話されることが沢山あります。

専門家に頼ることで、今まで見えなかった未来に光が差すのでしょう。
将来のへ方向性が決まれば、あとはそこへ向けて専門家と一緒に進んで行けば良いのです。

最後に:ストレスに対処する

労働基準法では残業や休日出勤といった労働時間・日数に関わる労働条件の最低基準を設け労働者を保護していますが、労働者のすべてを守れるかというとそうではありません。
そのため、私たちは自分自身を過剰なストレスから守っていく必要があります。

自分を守るために大切なことは、次の2つです。

1. 自分自身でストレスに気づき、これに対処するための知識、方法を身につけること
2. 少しでもいつもと違うと感じたら、すぐに周りや専門機関へ相談すること

それでも、もしうつやメンタル不調に陥ってしまったら、「うつ脱!」サイトの出番です。
「うつ脱!」サイトには、うつに関する重要な情報がギュっと濃縮されて詰め込まれています。1人でできることも沢山あります。

時計を掃除するまずは、できそうな所から試してみて下さい。それでもどうしても、上手くいかず、苦しい気持ちが続いてしまうことがあるかと思います。
でも、決して上手くコントロールできない自分を責めないで下さい。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせて下さい。
急ぐ必要はありません。
まずはゆっくりと心を休めます。

そして、十分気持ちが落ち着いたところで、また一つずつ初めてみましょう。

もし、苦しくて辛くてどうしようもないときは、1人で抱え込まず、誰かに頼ることを忘れないで下さい。

まとめ:残業?休日出勤?長時間労働から自分を守ろう

■ 長時間労働とは
一般的には残業や休日出勤で時間外労働が月80時間を超えた辺りからと考えられる
■ 長時間労働のリスク
「残業・休日出勤 ⇒ 長時間労働 ⇒ 睡眠不足・心身の疲労蓄積 ⇒ 集中力低下 ⇒ 些細なミスの連発 ⇒ 生産性低下 ⇒ 自責の念 ⇒ さらなる長時間労働」という悪循環に陥る可能性大
■ 自分の身を守るための対策
(1)労働契約や会社のルールを確認
(2)有給休暇の取得日数の確認と請求
(3)早めの相談と専門家への受診
■ 自分を守るために大切なこと
(1)自分自身でストレスに気づき、これに対処するための知識、方法を身につけること
(2)少しでもいつもと違うと感じたら、すぐに周りや専門機関へ相談すること

~~ 文責:産業カウンセラー:中村澄江 ~~
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